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先日中3メンバーと
都立入試の過去問を解いていましたが
平成27年度の国語の問題に

能の安宅と歌舞伎の勧進帳を
時代背景的に観客にどうとらえられているか
を対談文からとらえる

出題文があり、興味を持ちました。
生徒ではなく私が・・


ちょうど数ヶ月前に歌舞伎役者の
中村吉右衛門さんがお亡くなりになったこともあり
昔、歌舞伎座で観た吉右衛門さんの
勧進帳の弁慶が
脳裏によみがえってきました。

勧進帳というのは、社寺、仏像などの
修繕や建立のための寄付をつのる
文章が載っているもの
ならしく

義経が兄頼朝から追われ
東北に逃げる途中

山伏の格好をして変装した
義経一行が

安宅(今の石川県小松市)
の関所で
関主の富樫から疑われるも

家来の弁慶が
あわてず、普通の巻物を
勧進帳のように
見立てて読み
それでも疑う富樫の前で
義経のことを打った

とっさの弁慶の判断で
無事に安宅の関を
通ることが出来た義経

主君のことを打った弁慶は
大変嘆くのですが
義経はよくやってくれたと
弁慶に感謝

主従の深い愛情と
臨機応変の弁慶の知恵に
観客は感動させられるわけで

これが一般的な安宅の関のお話ですが
出題文は能の安宅の時代背景と
歌舞伎の勧進帳の時代背景は
大きく違うので
観客の捉え方が違ってくる
という対話をのせているのです。

つまり、
勧進帳は能の安宅をもとに
作られた歌舞伎で江戸時代の平和なときに
作られた。でも
能は戦いに明け暮れた室町時代に作られた
もので、人を容易く信じない、信じることが
難しい時代に作られたもの。
だから簡単には富樫は弁慶のことを信じない。
それをふまえた上で、能を演じていると。
対話文にはあります。

高校入試の出題なので、設問は答えの出やすい
簡単なものでしたが、
子どもたちには是非
一度歌舞伎の勧進帳を観てほしいです。

吉右衛門さんの大きな大きな弁慶(布団でもまいているかのよう)
ものすごい迫力がありました!

都立の国語の問題は
毎年、古典をからませた
現代文の中に、古文と現代語訳を入れて
問題文を作ってあり
歴史好きな私には
とても面白いです。

義経の話も、今月大河ドラマで始まった
北条義時の話と時代背景が同じなので
大変興味深い。

古文も歴史や時代背景がわかると
納得することが多いです。

中3のみんなには
今は受験対策に過ぎませんが
高校生になったら、たくさん本を読んで
国内、海外、たくさん旅行に行って
知識を深めてほしいです。